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株式会社アース
日本エコ・ケア・サービス

ネオアイス

 『創造的事業活動の研究開発等事業』とは、著しい新規性を有する技術に関する研究開発、研究開発成果の利用(事業化)、事業のために必要な需要の開拓の3つの事業をいいます。 尚、事業の目標として、『新たな事業分野の開拓につながるもの』であることが必要です。
 ネオアイス研究開発等事業は、上記の条件を満たし、従来にない技術要素が付加された著しい新規性を有する技術として、愛知県の審査会の結果をもとに平成12年9月1日、神田 真秋 愛知県知事の認定を受けた事業です。

ネオアイス

はじめに

 21世紀の幕が開けた現在、環境問題をはじめとする日々取り上げられる公害・自然破壊などのニュースはこれからの人間社会、さらには地球の存続にとって重大な問題であります。特に環境問題は深刻で、これからますます真剣に取り組んでいかなければならないと私たちは考えています。

 そこで今回環境問題と、公害の抑制を考えた「新開発冷凍・冷蔵剤 NEO・ICE〔ネオアイス〕」を発売する運びとなりました。

 ここにその市場の現状・可能性と将来性をまとめ、21世紀の環境改善商品としてご提案させていただきます。

基本理念と基本戦略

基本理念

  • 1. 21世紀のニーズに合った優秀な商品を心掛けます。
  • 2. 人と地球環境に優しい安全な商品提供を心掛けます。

●ドライアイス市場

 ドライアイスの原料は二酸化炭素です。二酸化炭素は「地球温暖化の元凶」です。環境にやさしくない材料を使用しているドライアイス市場はもっとも容易に攻略できる市場です。また利用者にとってドライアイスは「必要保冷持続時間に対する使用量」は経験に基づく感によるところが大であります。結果、時間に比例した量プラスαが確実にコストに跳ね返ります。コストを削減しようにも予測不可能故に、手が付けられない費用となっています。更に、ドライアイスは購入ルートが限定されており保存はできません。ドライアイス同様の能力が有り手軽に購入でき、環境にもやさしく、保存が簡単であれば必ずドライアイス市場の大半を席巻できるものと確信します。

●食品等の輸送市場

 現在、要保冷商品の輸送には少量の場合ならクール宅急便等の利用があり、保冷車もしくは冷蔵車が必要でしたが、多くの輸送業者はそれほどの設備を保持しておりません。それによる商品コストへの跳ね返りなどが問題になっています。要保冷商品の簡便輸送が可能になれば、必ず末端価格にも好影響をもたらし、強いては社会への貢献という企業としての理念の一つをも可能にするものなのです。

ネオアイスの誕生

●ネオアイスの目的

 ネオアイスの第1の目的は、一般の冷凍庫で製造できる冷凍剤であって、固有の冷凍温度を長時間保持できるものを提供することにあります。

 このような冷凍剤は氷結体となる物質で作られるので、弊社においては、このような物質で作られる氷結体を恒温氷結体と定義します。

 恒温氷結体となる物質は、−30℃または−21℃を下限とする温度で得られるという制限があり、また、それ自体が−5℃以下であるという制限も加わり、極めて限られてしまいます。特に、−21℃を下限とし、かつ−10℃以下の温度が得られるという条件は特に困難となります。

 そこで、氷結体となりうる50種類の物質について実験を行った結果、恒温氷結体となる物質として最適な7物質を見いだし、さらに実験を重ね、−16℃ で完全に恒温氷結体となるネオアイスが誕生しました。

 しかし、一般的に各家庭に普及している冷蔵庫のフリーザーは−18〜−21℃まで下がりますが、中には−15℃までしか下がらない機種があり、それに対しても目的を達するために、さらに実験を重ね、−13℃で完全に恒温氷結体となる家庭用ネオアイスが誕生しました。この2種類のネオアイスは、発泡スチロール等の断熱容器に入れて保持した場合、8〜16時間(周囲環境条件により異なります)、それぞれ他の物を冷凍しうる温度を維持します。

 この8〜16時間冷凍温度を持続する冷凍剤ネオアイスは極めて大きな実用上のメリットをもたらします。すなわち、現在の会社の営業時間は9〜17時がほとんどであり、朝10時に冷凍状態に保つべき物を、この冷凍剤と一緒に発砲スチロール容器に入れ、目的地に午後の4時に到着したとすると、6時間を要することになります。このような実情を考慮すると、最低でも6時間、一定の低温を維持できる冷凍剤が要求されることになりますが、上述した8〜16時間も冷凍温度を持続する冷凍剤ネオアイスは、この要求に充分応えうるもので、その実用上のメリットは非常に大きいものといえます。

 このように、一般の家庭用冷蔵庫のフリーザー(−21℃)において、短時間で他の物を冷凍するのに十二分に低い恒温氷結体となり、かつ冷凍温度の保持時間が非常に長く、ドライアイスに匹敵する能力を持って誕生したのがネオアイスです。

 ネオアイスの第2の目的は、ネオアイスを断熱容器に収納してなる恒温冷凍源装置(携帯冷凍庫)を提供することにあります。これは、ネオアイスを冷凍源として用いているため、別に冷却装置を用いなくとも、容器内温度を常に一定の冷凍温度に保ちうることを特徴とします。

 ここにいう断熱容器は、熱伝導率の小さい材質からなり、ネオアイス及び他の物を収容できるスペースを有したもので、その具体的材質としては、例えば、紙、乾燥木材、羽毛、羊毛、炭、綿、炭素繊維、発泡プラスチックなどで空気含有率の大きいものが適当です。

 また、ナイロンなどの化学繊維を微細化して束ねたもの、グラスウール、単にプラスチックや紙を2重構造とし内部に空間を設けたもの、もしくは、そこに発泡体を充填したもの等、基本的には空気の熱伝導率は最小であることから、その含有の大きいものはなんでも材料となり得ます。 断熱容器は、このような材質からなり、ネオアイスと冷凍目的物が収納でき、外部との熱交換を少なくした構造のものと定義できます。

 断熱容器にネオアイスを入れるか、断熱容器全体を冷凍して恒温氷結体を得たものが恒温冷凍源装置(携帯冷凍庫)であり、長時間にわたって固有の低温を保ち得るものです。冷凍保存や輸送に用いれば、産業上極めて有用なものとなり得ます。

●ネオアイスまとめ

 ネオアイスは、一般の冷凍庫または家庭用冷蔵庫の冷凍室(フリーザー)で作ることのできるドライアイスに匹敵する冷凍剤です。ネオアイスは、冷凍室で一晩または1日置くだけで凍り、その温度は氷点より遙かに低く、しかも恒温であり、試薬、魚類、食品を冷凍するのに最適な冷凍剤となります。

 これまで他の物を氷結させうるに足る低温を、長時間維持できるものはドライアイスしかありませんでしたが、このドライアイスは簡単に製造できず、またドライアイス自体を凍結状態で運搬せねばならないという欠点を有していて取扱いに難がありました。しかし、ネオアイスは、上述のような優れた性質のほかに、液状で運搬し、使用前に使用者の有する冷凍室で氷結体として使用すればよいという簡便さもあるので、その産業上の有用性は計り知れないものがあります。

 また、このネオアイスを外気と遮断できる容器内に入れておくことにより、8〜16時間にわたって−0℃〜−16℃の一定温度を継続して保つことができる恒温冷凍源装置(携帯冷凍庫)を提供することができます。この効果は、特に冷凍輸送において大きなものとなります。

 弊社ではこの優れた冷凍剤を一般に広く活用していただくために、用途別に3種類を商品化いたしました。ここにそれぞれのタイプのネオアイスの標準的な使用方法での性能を下表にまとめます。(室温20 ℃の環境下で2.5cm厚の発泡スチロール容器密閉状態での目安です。)

タイプ 容量 容器内容量 ネオアイス投入個数 ネオアイス表面温度 恒温持続時間 庫内温度
ホームネオアイス 550ml 8L 1個 −13℃ 15時間 −0〜−5℃
2個 −13℃ 15時間 −5〜−7℃
業務用ネオアイス 750ml 12L 1個 −16℃ 16時間 −0〜−5℃
2個 −16℃ 16時間 −5〜−7℃
業務用ネオアイス 1000ml 16L 1個 −16℃ 16時間 −0〜−5℃
2個 −16℃ 16時間 −5〜−7℃

注)室温、容器材質、密閉度、開閉度数、容器内の保存物の初期温度や量によって庫内温度は上表の目安より上下いたしますので、ご確認の上ご使用下さい。

●ネオアイスの実施例

 ホームネオアイスを家庭用冷凍庫に入れ恒温氷結体とし、これを縦19cm、横22cm、高さ9cm、厚さ1cm(内容量3g)の発泡スチロール容器に凍結血清500gとともに午後3時に入れ、ヤマト運輸のクール宅急便で午後4時に発送し、翌朝10時に受け取ったところ、完全に凍結しており、それから午後3時まで室温(25℃)で放置したが、なお、凍結していました。恒温氷結体は午後3時に融解しました。
 なお、参考までに、市販の保冷剤300gのもの2個を−20℃ の冷凍庫で氷とし、上記同様の発泡スチロール容器に入れ、底部の温度を測定しました。一方、ホームネオアイス550mlを−20℃で氷結体とし、同じように温度を測定しました。
 その結果を下表に示します。

  他社製品 ホームネオアイス
0分 −20℃ −20℃
10分後 −14℃ −20℃
20分後 −11℃ −14℃
30分後 −7℃ −13℃
40分後 −5℃ −13℃
60分後 −1℃ −13℃
120分後 +1℃ −13℃

ネオアイスの特徴

●低コスト・経費削減を実現します!!

 ドライアイスよりも価格が安くリユースでき、またリサイクル利用が可能です。

●適切な冷凍温度を保ちます!!

 ドライアイスのマイナス76℃という極低温は、通常の目的には不要です。冷凍輸送には、冷蔵庫の冷凍室の温度であるマイナス13〜マイナス16℃で十分なのです。

●とにかく安全なのです!!

 ドライアイスはマイナス76℃という極低温のため、素手で一瞬触れるだけでも低温やけどの危険があります。しかし「ネオアイス」はマイナス13〜マイナス16℃とアイスクリーム程度なのでとても安全なのです。また毒性もなく、環境にやさしい成分でできています。

●保存できるからいつでも使用できます!!

 ドライアイスはそのままにしておくと、どんどん昇華(固体から気体になる現象)して無くなってしまいますが、「ネオアイス」は常温で保管でき、いつでも冷凍室で冷凍保存できるのです。

●冷やす時間が長い、しかも一定なのです!!

グラフ

 「ネオアイス」は、家庭用冷凍庫で氷結体となることにより、マイナス13℃〜マイナス18℃という冷凍に十分な低温を「長時間」保持できます。上図のように、ほかの保冷剤は時間と共に温度がどんどん上昇してしまいますが、「ネオアイス」は常に一定の温度で保冷できます。

●余裕の冷凍輸送が可能です!!

 ドライアイスと同じ程度の量を使用して、クール宅急便で送ることにより、翌日、完全冷凍状態で目的地まで届けることが出来ます。さらに到着後、5〜6時間の余力があるほど保冷力は素晴らしいものがあります。

●扱いが簡単でとても便利です!!

 どこにでも利用されている一般の家庭用冷蔵庫で一晩置くだけで、氷結体になります。冷凍室に入れておけば、いつでも取り出して使用できます。

ホームネオアイス ケーススタディ

  • ●ネオアイスはドライアイスの代用品であり一般保冷剤とは目的が違いますので、目的に応じた比較をしなければなりません。
  • ●一般保冷剤もネオアイスも冷凍庫から出した時は冷凍庫の温度(約マイナス21℃)です。それを8gのクーラーボックスに入れた場合(室内平均温度20℃)
  • ●一般保冷剤(550ml)は3時間位で表面温度がプラス0℃〜マイナス3℃位になり、それを一定時間保持します。〈本体自体〉
  • ●ホームネオアイス(550ml)は3時間位でマイナス13℃になり、それを15時間保持します。〈本体自体〉
  • ●庫内温度は一般保冷剤の場合プラス5℃〜プラス10℃位です。
    ネオアイスの場合マイナス0℃〜マイナス5℃位です。

持続時間は9時間〜10時間(それ以降は徐々に上昇します)

  • 注)庫内温度を上記以下に保ちたい場合、一般保冷剤の場合数量を増してもプラス2℃位までが限界ですが、ネオアイスの場合、庫内温度は下記のようになります。
  • 2ヶ入れた場合の庫内温度は、マイナス5℃〜マイナス7℃位です。
  • 3ヶ入れた場合の庫内温度は、マイナス7℃〜マイナス9℃位です。

 以上の事からネオアイスは庫内温度をマイナスに保つ事が一番求められる目的です。 (一般保冷剤では、氷をそのまま保存するには限界がありますし、アイスクリームを凍らした状態で保つのは不可能です。ネオアイスの場合は庫内の氷は全く溶けません。)

実験1 ネオアイス(550ml)と一般保冷剤をそれぞれ、スチロール箱(8g)の中に入れPM9:00〜PM0:00(15時間)の間、アイスクリームの状態を観ます。(室内平均温度20℃)
一般保冷剤の方は、アイスクリームが完全に溶けてしまいました。(実験開始後4時間位)ネオアイスの方は、アイスクリームの固形は保っていましたがやわらかくなっていました。(冷凍食品の場合は完全に冷凍状態でした。)
実験2 庫内の物を冷凍したくない場合、あるいは持続時間を長くしたい場合(室内平均温度20℃)
1)ホームネオアイス(550ml)を新聞紙で一重にくるみ、スチロール箱(8L)の中に入れた場合
庫内温度:プラス1℃〜プラス4℃
 〔新聞紙表面温度:マイナス8℃〜マイナス4℃〕
持続時間:18時間
2) ホームネオアイス(550ml)を新聞紙で二重にくるみ、スチロール箱(8L)の中に入れた場合
庫内温度:プラス5℃〜プラス8℃
 〔新聞紙表面温度:マイナス4℃〜マイナス0℃〕
持続時間:20時間
3) 一般保冷剤(550ml)をスチロール箱(8L)の中に入れた場合
庫内温度:プラス8℃〜プラス10℃
 〔新聞紙表面温度:マイナス0℃〜プラス4℃〕
持続時間:20時間
実験3 16gのアイスBOXの中に〔凍っている〕ホームネオアイス(550ml)×2ケと〔凍っていない〕一般保冷剤 (550ml)を入れた場合(室内平均温度20℃)
約12時間でネオアイスは溶けてしまいましたが,一般保冷剤の方はカチカチに凍っていました。初期庫内の温度は、マイナス8℃位でした。
実験4 16LのアイスBOXの中にドライアイスと〔凍っていない〕ホームネオアイス(550ml)を入れた場合(室内平均温度20℃)
約5時間でドライアイスは消えてしまいましたが、ネオアイスはカチカチに凍っていました。それ以後ネオアイスは15時間以上冷凍状態でした。
  融解温度(融点) 融解熱(潜熱)
ドライアイス -73.6℃ 136cal/g
業務用ネオアイス -16℃ 79cal/g
ホームネオアイス -13℃ 79cal/g
一般保冷剤 0〜-3℃ データ無
0℃ 80cal/g
  • 注)当然、密閉状態でない常温の室温で、同量のドライアイスとネオアイス及び一般保冷剤との消耗試験をしますと、ドライアイスが一番速く昇華し、次にネオアイスが液状化し、最後に一般保冷剤が液状化します。しかし、この実験は使用目的が違いますので、比較にはなりません。
実験5 簡単にできるおもしろい実験
室内で家庭用冷凍庫で製氷した2.5cm角の氷が溶ける速さの実験をします。
皿の上に置いた氷と、一般保冷剤の上に置いた氷、そしてネオアイスの上に置いた氷の状態を観察します。
結果: 室内温度に左右されますので、時間は一定しませんが、室内温度23℃の状態で皿の上の氷は30分もしない内に水になり、一般保冷剤の上の氷は3時間半程で溶けますが、ネオアイスの上の氷は徐々に表面から溶け始めていきますが5時間たった時点でも氷は残っています。

ネオアイスQ&A

  •  ネオアイスと畜冷剤ではどこが違うのですか?
  •  ホームネオアイスは−13℃を業務用ネオアイスは−16℃を継続して保持できる氷結体ですが、畜冷剤はアイスノンと同じ0〜5℃を保持するゲルですから、両者は全く異なります。ネオアイスは他の物を冷凍したり、冷凍に保ったりすることができますが、畜冷剤は保冷の目的に用いるもので他の物を冷凍状態に保つことはできません。
  •  ネオアイスとドライアイスはどう違うのですか?
  •  ドライアイスは一般の冷凍庫で製造はできませんし、保管もできません。ネオアイスは家庭用冷蔵庫のフリーザーで製造できます。又、余分量を室温保存しておき、使う1日前にフリーザーで氷結体とすればよいのです。ドライアイスは購入単位が10kgでかつ保管できませんから、余分量が無駄になってしまいますが、ネオアイスはそのような心配はなく、極めて経済的です。
  •  ネオアイスは畜冷剤として使えますか?
  •  ネオアイスは−13〜−16℃ですが、エアークッションで包んだりすることにより(空気で熱の流れをさえぎります)、畜冷剤に近い性質(−5〜0℃)にすることができます。その場合、もち時間もぐっと長くなります。
  •  ネオアイスは地球温暖化や環境汚染と関係しますか?
  •  ネオアイスは、CO2ガスを大気中に出すことはなく、地球温暖化と全く関連しませんから、21世紀に向けて安心して使っていくことができます。又、環境に排出されてBODを高める心配も全くありません。生活排水として捨てたり、焼却することもできます。
  •  ネオアイスは人体に安全ですか?
  •  ネオアイスは無毒ですが、飲用はできません。多量に飲んだり、目に入ったりした場合は、濃い食塩水と同様危険ですので、必ず吐き出させたり、流水で目を十分に洗い、医師に相談してください。
  •  ネオアイスはどのくらいもつのですか?
  •  同じ量で比較すれば、ドライアイスとほぼ同じくらいもちます。これは、ドライアイスが−76℃と極低温のため、熱の流入が大きいためです。実際に、保冷用魚箱(厚み1p、内容積23×17×8p〔約3L〕の発泡スチロール)に、ネオアイスとドライアイスをそれぞれ約500ml入れてもち時間を比較しましたが、両者とも室温28℃で8時間で効力がなくなりました。厚み2.5p(34×28×22p〔約20L〕)の発泡スチロール大型保冷箱に、ネオアイス1Lを2個入れ、室温27℃で保存した場合、20時間もちます。従って、夕方宅急便で送り、朝受け取ってもまだ冷凍状態を保つことができます。